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スギ花粉症の舌下免疫療法 服用中止を考える




舌下免疫治療法を開始してから1ヶ月半が経過しました。

相変わらず耳鳴りは続き、時にはテレビの音も聞こえないような状態にもなっています。
息切れやめまいもあります。

いつもと同じスピードで歩くと息が苦しくなるので、以前よりもかなりスローペースで行動するようになりました。

ある程度の副作用は覚悟していたので、想像とは違う症状であってもアレルゲンを自ら取り込んでいるので仕方ない、と納得できます。

ところがそれ以上に困った症状がありました。

感情がとても不安定になっていることです。

アナフィキラシーの前兆症状として「不安・恐怖感」が挙げられていますが、理由もなく悲しくなる、悲しいことは何もないのに泣きそうになることがありました。

友人と会っている嬉しくて楽しい場面なのに、気持ちはどんどん悲しくなっていってしまうのです。

体が苦しい状態は我慢できても、気持ちが苦しい状態は辛い。
今まで様々な症状に対しては「そのうち慣れてくるんじゃない?」と楽観視していた私も、初めて服用を中止しようと考えるようになりました。

もっとも、このようなマイナス思考も薬による不安や恐怖感から来ているのかもしれません。

今、この悲しさは薬のせいだ、と分かっていても、悲しくて気が滅入るのは勘弁して欲しいという気持ちの方が大きいです。

スギ花粉症の舌下免疫療法 薬に対しての疑問点

スギ花粉症の舌下免疫療法で服用している薬「シダトレン」は服用開始時期には濃度の違う物がありますが、基本的には1種類の薬です。

年齢、体重、体質にかかわらず治療を受ける人は同じ薬が処方されます。

つまり全員が同じ濃度、同じ量の花粉を体内に取り込んでいることになります。

はたしてこれでいいのだろうか?と疑問に思いました。

体の大きさ、アレルギーの度合いが違えば、その人に合う花粉の量も違うはず。大人と子供が同じ量を服用して本当に大丈夫なのでしょうか。

私の場合、薬に対して過敏な体質だと言われています。

様々な副作用も過敏だからこそ出ているのかもしれません。もしかすると薬の量が変われば症状が軽減されるのではないか、と思ったのです。

思ったところで、薬は1種類しかないのですから、現段階では止めるか続けるかの2択しかないのですが、量を減らして続けていくという選択もあって良いのではないかと感じました。

ところで、かかりつけ薬局で聞いたのですが、漢方生薬にも「花粉」があるそうです。

その薬剤師さんは実際に処方したことはないそうですが、これも花粉症の治療に使うそうで形状は違っても舌下免疫療法と同じ考え方の薬だそう。だとしたら、シダトレンより量の調節ができて良いのでは?と思ってしまいました。

スギ花粉症の舌下免疫療法 シダトレンやめました

結局、私は1ヶ月半で舌下免疫療法をやめることを決めました。

できれば続けたかった、でもこのまま続けていくのは無理だと判断しました。

せっかく体が慣れてきたのに・・・と思う面もありましたが、これ以上の副作用は日常生活に支障を与えると思いました。

私の決断に医師は驚きました。やめることに驚いたのではなく、その理由に。

やめるとしたら「じんましんが出た」とか「腫れた」とか「耳鳴りがひどい」などの体の辛さだと思っていたそうです。

まさか「悲しい気持ちになってしまう」という精神的な面でリタイアするとは想像もできなかったとか。これがまだ始まったばかりの治療なのだと思いました。

悲しくなるのは薬を毎日服用しなければいけない義務感や苦痛から生じているのではないか、という意見もありました。でも私は服用していた1ヶ月半、例え耳鳴りや息切れがひどくても、そこに苦痛を感じてはいませんでした。

最初の頃、服用後に感じていた喉の痛みや腫れたような感じもいつの間にか消えていたので、耳鳴りや息切れもいつか消えるだろう、そのうち体も慣れるだろう、と期待する方が大きかったのです。

このことがやめる決断を遅らせ、状態をひどくしたのかもしれません。耳鳴りや息切れは服用初期からありましたが、気持ちが不安定になってきたのは1ヶ月以上経ってからでした。

スギ花粉症の舌下免疫療法 やめて思うこと

振り返れば「想像していたより副作用があった」としか感想が出てこないスギ花粉症の舌下免疫療法ですが、それでもこの治療を受けたことは後悔していません。

やはり自分の体が徐々に花粉慣れしていく過程は興味深いものでした。服用を中止してからは、2日ほどで息切れが少しずつ改善していきました。

耳鳴りも1週間くらいで回復しました。精神面も少しずつ落ち着いてきたと思います。

こうやって元の状態に戻っていく様子もまた面白いと感じてしまいますが、やめればすぐに症状が改善するわけではなく多少の時間がかかります。

これから舌下免疫療法を始めようと思っている人、あるいは始めた人にアドバイスするとしたら、合わないかもしれないと少しでも感じたら、医師と相談して服用中止を考えること。

飲んでいるうちに慣れるかもしれない、今日まで続けたのにもったいない、と考えないこと。

多くの人が服用して大丈夫だった薬が、自分にとっても大丈夫だとは限らないのです。新しい薬、新しい治療法なら尚更のこと。

私には合わなかった、というデータが、また新たな薬の研究開発に結びつきます。

きっと何年か後に過敏な体質の人でも服用できるスギ花粉症の舌下免疫療法の薬が出てくると信じているし、そのときにはまた服用したいと思っています。