以前は冬の寒い時期だけの悩みだった乾燥肌も、年齢を重ねるうちに一年中お肌がカサカサ気味になってしまっている方も多いのではないでしょうか?

また、最近では生活習慣の乱れやストレスなどが原因で乾燥肌になる人も増えているそうです。乾燥肌の原因と予防方法、体質改善するために必要な栄養素などについてまとめました。

そもそも乾燥肌ってどういう状態?

肌の表面には「バリア機能」というものががあります。

このバリア機能には、肌の表面を包み込み水分の蒸発を防いで角層の水分量を保持したり、逆に外部から異物が体内へ侵入するのを防ぎ、お肌を守る機能があります。

乾燥肌というのは、このバリア機能が低下し、皮脂の分泌や角質層の水分、天然保湿因子などの量が少なくなってしまい、皮膚の表面が乾燥してしまった状態のことをいいます。

多くの方が乾燥しやすい部位としてあげるのは、足(ひざ・かかと含む)、顔(目元や口の周り)、首、手や腕・ひじ、背中などがあり、皮脂分泌が少ない箇所ばかりです。

乾燥肌の原因は?

乾燥肌の原因となるものはたくさんあります。

  • 生活習慣(特に食生活)の乱れ
  • 入浴時の洗い過ぎなどの間違ったケア
  • ストレス
  • 紫外線
  • エアコン
  • 睡眠不足
  • ダイエット
  • 加齢、など

これらが要因となり、皮脂の分泌が低下し、保湿成分の生産も低下することで、肌の水分が蒸発しやすくなってしまい、乾燥肌になってしまいます。

よくありがちなのが、入浴時にボディタオルなどでゴシゴシ洗ってしまうこと。

身に覚えのある人は要注意です!

よく洗った方がキレイになるだろうと、洗いすぎることで肌の潤いを保つために必要な皮脂まで洗い流してしまい、それが原因で皮膚の水分が失われて、肌が乾燥してしまうという場合が多くあります。

実は、お湯だけでも、かなりの汚れは落とせると言われています。どうしてもお湯だけじゃ物足りない人は泡でやさしく洗うことを心がけましょう。

また、ファーストフード、インスタント食品、スナック菓子などいわゆるジャンクフードと言われるもの、添加物が入っているもの等を多く摂取していませんか?

食生活が乱れていて、栄養不足・栄養が偏っている場合も乾燥肌の原因となります。ダイエットなどで脂質を極端に減らすことでも乾燥肌になることもあるそうなので注意が必要です。

乾燥肌はお肌の老化の第一歩です。

カサカサ肌はシワにつながりやすいですし、悪循環にハマってしまうとかゆみが出てしまったり、お肌の老化が更に早く進んでしまいます。

また、お肌が乾燥しているだけで老けて見えてしまいます。乾燥肌は早めのケアが肝心です。

乾燥肌を改善し、防ぐにはどうすればいいの?

では、乾燥してしまっている肌を治し、今後の乾燥を防ぐにはどうしらいいのでしょう?

まずは、外側からの対策を打つことが大事です。

  • 入浴時の間違ったケアを改善する
  • 正しいスキンケアをする
  • 紫外線・エアコンなどの外部要因から身を守る

そしてそれらに加え、食生活を見直し内側からケアをすることも重要です。

栄養素をきちんと取り入れ、バランスの摂れた食事をすることで潤いのある肌へ戻し、乾燥肌を根本から治す体質改善も不可能ではありません。

体質改善に必要な栄養素や食品は?

それでは、体質改善をして乾燥肌を治すために必要な栄養素にはどんなものがあるのか?

また、それらの栄養素を多く含む食べ物についてまとめてみました。

ビタミンA

皮膚の細胞形成に必要なビタミンです。皮膚や粘膜の潤いを維持し、新陳代謝を活発にして健康に保つ働きがあります。なんと言っても肌のアンチエイジングに効果的です!

ビタミンAを多く含む食品
  • 緑黄色野菜(にんじん、モロヘイヤ、ほうれん草、小松菜)
  • レバー
  • うなぎ
  • 乳製品
  • イカ
  • ひじき
  • しらす干し
  • 海苔
  • ワカメ 等

ビタミンC

ビタミンCは免疫力を高める効果があります。

また、肌のバリア機能を強化させるための、コラーゲンの生成を助けたり、皮膚の抵抗力を高めたりする効果があります。

肌にハリ・ツヤが生まれ、メラニン色素(シミのもの)の合成を抑えるなどの働きがあり、美肌づくりには重要な栄養素です。

ビタミンCを多く含む食品
  • 柑橘系や酸味のある果物(レモン、キウイ、いちご、オレンジ)
  • 野菜(パプリカ、ピーマン、ブロッコリー、カリフラワー、ほうれん草、)
  • 芋類(じゃがいも、さつまいも) 等。

ビタミンB群

肌や粘膜を保護し、肌の生まれ変わりを促進します。

特に、ビタミンB1、B2、B6、B12が乾燥肌を改善するのに効果的といわれています。

ビタミンB群を多く含む食品
  • 豚肉
  • うなぎ
  • レバー
  • 大豆
  • 納豆
  • 乳製品
  • ナッツ類(アーモンド、くるみ、ピーナッツ)
  • マグロ
  • かつお
  • イワシ
  • しじみ
  • あさり
  • 海苔 等。

ビタミンE

ビタミンEには協力な抗酸化作用があります。また、血行促進作業が期待でき、細胞の老化を予防します。

ビタミンEを多く含む食品
  • うなぎ
  • イカ
  • 赤ピーマン
  • かぼちゃ
  • モロヘイヤ
  • ほうれん草
  • アボカド
  • たらこ・明太子
  • アーモンド
  • 落花生 等。

タンパク質

三代栄養素の1つでもあるタンパク質は、肌・髪・爪・筋肉・血液・骨・内臓・皮膚など身体を構成する主成分です。

タンパク質が不足することで、疲れやすくなったり、免疫力が下がってしまいます。また、新陳代謝が悪くなり肌の乾燥を引き起こす原因になります。

タンパク質を多く含む食品
  • 鶏むね肉
  • 豚ヒレ肉
  • マグロ
  • カツオ
  • 納豆
  • 豆腐
  • チーズ 等。

亜鉛

ミネラルの中でも、亜鉛はお肌の新陳代謝に欠かせない重要な栄養素です。

亜鉛を多く含む食品
  • 牡蠣
  • 豚レバー
  • 牛肉
  • たらこ
  • 卵黄
  • ナッツ類 等。

(テキスト)

セラミド

アンチエイジングや美容に役立つ成分の一つでもあるセラミドは肌の角質層にある脂質の一種です。

紫外線などの外部の刺激から皮膚を守り、皮膚のうるおいを保つ働きがあります。セラミドは加齢とともに30代頃から減少していくと言われていますので、積極的に食べ物で補う必要があります。

セラミドを多く含む食品
  • 黒ごま
  • ひじき
  • 大豆
  • ほうれん草
  • こんにゃく
  • ヨーグルト 等。

「まごわやさしい」食事を心がけよう

乾燥肌を根本から治すために必要な栄養素がたくさんあるのはご理解頂けたかと思います。

ビタミンA、C、B群、E、タンパク質、亜鉛、セラミドなど多くの栄養素を摂取するには、栄養バランスの良い食事を心がけることが必要です。

そこで最後に、栄養バランスの良い食事を摂るための参考となる「まごわやさしい」をご紹介します。

「まごわやさしい」は既にご存知の方も多いかもしれません。多種多様な食品を取り合わせて、各栄養素をバランス良くとるための合言葉みたいなものです。

  • [ま] 豆類 →ビタミン・タンパク質・マグネシウムが豊富
  • [ご] ゴマ・ナッツ類 →不飽和脂肪酸・ビタミンEが豊富
  • [わ] わかめなどの海藻類 →カルシウム・マグネシウムが豊富
  • [や] 野菜類 →ビタミン・食物繊維が豊富
  • [さ] 魚介類 →タンパク質・オメガ3脂肪・亜鉛が豊富
  • [し] シイタケ・きのこ類 →ビタミンDや食物繊維が豊富
  • [い] イモ類 →食物繊維・炭水化物が豊富

内側から乾燥肌の対策を打つためにも「まごわやさしい」食事を毎日の生活に積極的に取り入れてみましょう。

最初のうちは食生活の習慣を変えるのは大変かもしれません。また、効果が現れるまで少し時間がかかるかもしれません。

ただ、栄養バランスの良い食事を摂ることはお肌だけではなく、健康などあらゆることに影響してきます。是非、食生活を見直して乾燥肌や様々な不調とおさらばしましょう。