エイジングケアに大人気の美容オイルには、いろいろな種類があります。また抽出する植物や動物によって、オイルの性質や効能も変わってきます。
今回は代表的な美容オイルの特徴や効能、肌タイプ別のおすすめオイルをご紹介します。
オイルの特徴と効能
ホホバオイル
ホホバオイルは、アメリカ、メキシコなどの砂漠地帯に生えるホホバの種子から抽出したオイルです。
精製、漂白をしていない黄色いものは、ゴールデンホホバオイルと呼ばれ、精製されたものより上質で効果も高く、その分値段も高くなっているようです。
特徴
厳密には“オイル”ではなく“ワックス”なので、低温になると固まりますが、品質には問題ありません。常温で元の液体に戻ります。
自然界で最も人間の皮脂に近いオイルで、浸透性の高さでは群を抜いています。オイル特有のベタツキが少なく、なめらかでサラッとしたシルクのような感触で、単品でも使いやすいのが特徴です。
またオイルに安定性があり、抗酸化作用にも優れているため、防腐剤無添加でも長期保存が可能となっています。フェイスケアからボディケア、ヘアケアまで幅広く使えます。
効能
皮脂のバランス調整や抗炎症作用、抗酸化作用に優れているため、ニキビ肌、脂性肌、シワやシミが気になる年齢肌、老人肌に適しています。
アルガンオイル
アルガンオイルは、モロッコの砂漠にだけ生育するアルガンノキの種子から抽出したオイルです。
アルガンノキは数年間雨が降らなくても枯れないと言われる驚異的な植物で、栄養や水分を自分の体の中に蓄えて、厳しい環境を生き抜くパワーに満ちています。
特徴
テクスチャーはホホバオイルよりもやや重いですが、浸透性に優れたオイルです。フェイスケアに向いています。
色は無色から褐色で、ナッツのような香ばしい匂いがするのが特徴です。多くの必須脂肪酸と、オリーブオイルの約3倍と言われるビタミンEを含んでいます。
効能
ビタミンEには高い抗酸化作用があるため、エイジングケア用に適しています。
ヘンプオイル(麻の実オイル)
ヘンプオイルは、麻の実から低温圧搾法で抽出したオイルです。
特徴
一番の特徴は、80%という必須脂肪酸の比率の高さです。必須脂肪酸は健康な美肌づくりに重要な油分ですが、人の体内でつくることができません。この成分を植物オイルの中で最も多く含んでいるのがヘンプオイルです。
またヘンプオイルには、血行を促進し、新陳代謝を活発にするαリノレン酸が20%も含まれています。さらに希少なγリノレン酸も含まれています。
効能
γリノレン酸が、角質層のバリア機能を修復して表皮細胞の機能を活発化。αリノレン酸は血行を促進し、新陳代謝を活発化。さらにリノール酸との相乗効果で柔らかいしっとり肌に導きます。
ローズヒップオイル
ローズヒップオイルは、バラの実から抽出した赤いオイルです。
特徴
必須脂肪酸であるリノール酸やα-リノレン酸を豊富に含んでいるオイルです。粘性が高く、ドロッとしたテクスチャーと独特の香りが特徴です。
非常に酸化しやすいため、酸化しにくいホホバオイルとブレンドして使うのがおすすめです。開封後は冷蔵庫で保存し、1ヶ月を目安に使い切りましょう。
効能
肌にハリと潤いを与え、皮膚の代謝を促すため、シワ、シミの改善などエイジングケア用に適しています。他にもビタミンによる美白効果、抗炎症作用によるニキビ改善効果が期待できます。
オリーブオイル
オリーブオイルは、オリーブの実から抽出したオイルです。食用としてだけでなく、古くからマッサージ用のトリートメントオイルとして使われてきました。
また最近では、クレンジング剤をはじめとする多くのスキンケア用品に利用されています。
特徴
約70~80%がオレイン酸で、他にビタミンA、Eも豊富に含まれています。香りが強くて粘性も高く、単品ではやや使いにくいのが難点です。他のキャリアオイルとブレンドすると使いやすくなります。
オリーブオイルにはいくつかのグレードがありますが、スキンケアにはエキストラ・バージン(一番絞り)オイルがおすすめです。
効能
年齢肌や乾燥肌の改善、筋肉をほぐして疲労を緩和する作用、抗炎症作用などの効果があります。
マカダミアナッツオイル
マカデミアナッツオイルは、ヤマモガシ科マカデミア属の種子から抽出されたオイルです。マカデミアの生産量のほとんどは、オーストラリアとハワイで占められています。
特徴
人間の肌に近いマカデミアナッツオイルは、「消えてなくなるオイル」といわれるほど浸透力が高く、乾燥肌対策に適しています。
ベタツキがとても少なく、頭の先からつま先まで全身に使えます。また酸化しやすいリノール酸が1~4%と非常に少ないため、長期の保存が可能です。
効能
老化防止をサポートするパルミトレイン酸やビタミンが豊富に含まれているので、肌の若返り効果が期待できます。
馬油
馬油は、食用の馬肉から取れる動物性の美容オイルです。昔から火傷、肌荒れ、ひび、あけぎれ、切り傷などの民間治療薬として広く使われてきました。
特徴
馬油の油脂成分が人間の皮脂に非常に近いため、肌への浸透性にとても優れているのが特徴です。そのままではベットリとしたテクスチャーですが、肌に塗るとさらさらに変わります。とても伸びが良く、マッチ棒の先ほどの量でも片腕分くらい広がります。香りはほとんどなく、単品でも手持ちの化粧品と混ぜても使えます。
効能
豊富な有効成分と血行促進効果で、乾燥肌対策やエイジングケアに効果が期待できます。また抗酸化作用と殺菌作用があるので、火傷やアトピー、ニキビの治療薬としても使えます。
肌タイプ別おすすめオイル
オイリー肌
肌の皮脂が過剰に分泌されているオイリー肌には、さらっとした使い心地で浸透力の高いホホバオイルやグレープシードオイルがおすすめです。
年齢肌
シワ、シミ、乾燥などに悩む年齢肌には、リノール酸が豊富で浸透力の高いゴールデンホホバオイル、ヘンプオイル、オリーブオイル、アルガンオイルがおすすめです。
敏感肌
バリア機能が低下している敏感肌には、低刺激で、浸透力が高く、皮脂に含まれるパルミトレイン酸を含むマカダミアナッツオイル、角質のバリア修復機能をもつγリノレン酸を含むヘンプオイルがおすすめです。
乾燥肌
乾燥肌には、高い浸透力と保湿力を誇るホホバオイルがおすすめです。
さいごに
オイルによって性質や効能が違うので、最初はどれを使っていいのか迷ってしまいますよね。例え名前が同じでも、商品によって品質や値段は様々です。
オイルは収穫した産地や時期、栽培方法、抽出方法によっても品質が変わります。フェイスケアに純正系植物オイルを使う場合は、多少お値段が高くても、品質の良いオイルを選ぶことをおすすめします。